具体的な施策(まちづくり)

1 和気町の優位性を活かしたまちづくり推進する

 本町は、通勤・通学に便利なJR山陽線の和気駅や山陽自動車道の和気IC、美作岡山道の佐伯ICを有しており、交通の利便性に恵まれています。また、他地域と比べて地震・津波などの自然災害のリスクが低く、下水道・光回線などの生活・社会インフラもほぼ全町に整備されています。
 これらの本町の優位性を最大限に活かし、移住・定住促進や企業誘致などに繋げていくことで、本町への新しい人の流れをつくるだけでなく、「都会にはない、和気町ならではの暮らしやすさ」を町民にも積極的に情報発信し、若い世代の町外への流出を防ぎます。また、将来の人口減少を見据えて、和気駅周辺の魅力向上やまちのコンパクト化を進めることで、商業・医療・福祉等の生活サービス機能の維持を図り、本町に住む全ての世代が今後も安心・快適に生活できる環境を目指します。
 また、本町は、平安京千年の基礎を築いた和気清麻呂公の生誕地であるだけでなく、2015年に日本遺産に指定された(日本最古の庶民のための学校である)閑谷学校をルーツとする「和気閑谷高校」を有しており、教育を推進するための風土を有しています。こうした風土を活かすため、無料公営塾の設置や英語特区の導入、和気閑谷高校の魅力化、放課後学習支援などの施策を充実させることで教育格差を是正し、和気町の将来を担う「ひとづくり」を推進します。
 なお、「和気駅周辺の活性化」や「小中高教育の魅力化」については、本戦略の最重要施策として取り組みます。

2 具体的な施策

 本町の基本目標に基づき、下記の施策を実施します。2016年の改訂により新たに追加した施策については「◎」、2015年の策定時から未実施(2016年9月末現在)の施策については「●」を担当課の後に付しております。
 また、担当課が複数ある施策については、主担当課に「○」を付しております。

和気駅周辺の活性化

和気駅周辺の活性化

和気駅の利用客の増加対策や駅前の空き店舗の利活用等により、和気駅周辺の活性化に取り組みます。
○ 人口減少下においても本町の持続的発展を図るため、公共施設等総合管理計画や都市計画マスタープランなどを策定し、地域の拠点である和気駅周辺に公共施設や住宅施設、商業施設などの集積を行います。(まち経営課・地方創生課・都市建設課○)(◎)
○ 和気駅周辺における移住・定住を促進するため、大型住宅施設(マンション)の誘致に取り組みます。誘致にあたっては、民間による大型住宅施設の建設を促進するため、公共施設(例えば、子育て施設など)を併設することについても検討します。(都市建設課)
○ 藤野地区にある老朽化した県営住宅の和気駅周辺への移転を目指し、岡山県と協議を行います。(都市建設課)(◎)
○ 空き店舗が増加している和気駅周辺に、町民が望む業種の商業施設を誘致することで、和気駅周辺の魅力向上を図ります。(地方創生課)
○ 町内での起業を促進するため、和気商工会が旧銀行店舗跡地の交流施設「ENTER WAKE(エンターワケ)」に整備する飲食業用の起業促進施設への支援を行います。(地方創生課)(◎)
○ 和気商工会と連携しながら、英検等の資格試験対策や留学生等との英会話を中心とする英語に特化した公営塾を運営することで、「ENTER WAKE(エンターワケ)」を利活用します。(地方創生課)(◎)
○ 公共施設を有効活用するため、町立和気図書館を特色のある専門的図書館(例えば、英語特区導入に伴う洋書コーナーの充実など)の機能も持たせることで、近隣市の図書館との差別化を図ることを検討します。話題性や立地上の優位性を活かすことで、図書館の利用者を増加させるとともに、駅前の活性化を促進します。(社会教育課)(●)

和気駅の利用促進

○ 若い世代が就職等により本町を離れることを防止するとともに、若い世代の定住を促進するため、和気駅を利用して通勤・通学する者を対象に、自己負担額の半額を助成することで、和気駅の乗降客数を増加させるだけでなく、駅前の活性化を図ります。(総務課)
○ 駅前の町有地への公衆トイレの設置や町営駐車場を拡充することにより、和気駅の利用者の利便性の向上を図ります。また、バリアフリー化を進めるため、駅構内のエレベーター設置についてJRと協議を行います。(都市建設課)(◎)
○ 和気駅の利用を促進するため、JR沿線自治体と連携し、JRに対して運行サービスの改善等について働きかけます。(危機管理室○・都市建設課)(◎)

公共交通の再編

○ 和気駅周辺を地域の拠点とするため、地域公共交通網形成計画を策定し、町内の公共交通体系を再編することで、駅周辺へのアクセス改善を図ります。また、高齢化が急速に進む中、公共交通機関を利用することが困難な方などの利便性の向上についても併せて検討します。(危機管理室)
○ 日常生活に必要なサービス機能を一定エリア内に集約した拠点と周辺集落を公共交通ネットワークで結ぶことにより、住民が安心・快適に暮らし続けていくことができる環境の実現を目指します。(危機管理室○・地方創生課)

住宅施策の推進

新規賃貸住宅の建設支援助成金制度等の推進

生活に便利な和気駅周辺には安価な分譲地やマンション・アパートタイプの賃貸住宅が少ないこともあり、若い世代が近隣市に転出している状況が続いています。
○ 地域の金融機関と連携し、新規賃貸住宅(マンション・アパートタイプ)を対象に固定資産税相当額を支給する助成金制度(建設支援助成金制度)や、新規賃貸住宅建設の借入金を対象とする利子補給制度により、民間による新規賃貸住宅の建設を促進します。(地方創生課)
○ 現在の制度では対象となっていない民間企業の社員寮(社宅)や地元大学の学生寮の建設についても助成対象とします。(地方創生課)(◎)


新築住宅等に対する固定資産税の減免制度の拡充

子育て世代が町内に定住することを促進するため、2015年4月に施行した新築住宅等に対する固定資産税の減免制度(※)について、対象範囲や対象期間などを拡大することを検討します。(税務課)(◎)

  • 「新築住宅等に対する固定資産税の減免制度」:若い世代が町内に自ら居住するために新築または購入した家屋は、新築後5年間、家屋分の固定資産税が免除もしくは軽減される制度

小中高教育の魅力化

英語特区の導入

○ 文部科学省に「教育課程特例校」の指定を申請し、町内の小・中学校を対象として、英語特区校の認定を受けることを目指します。町内の各小中学校にALT(※1)を常駐させるとともに、現行の5・6年生だけでなく小学校1年生~4年生にも「英語活動」を新設します。 また、中学校では、英語の時間数を増加させ、「オーラルコミュニケーション(※2)」を新設し、子供たちが4技能(「聞く」「話す」「読む」「書く」力)をバランス良く身に付けるための具体的なカリキュラムを構築します。(学校教育課)(◎)
○ また、学校内での教育・交流とともに、学外活動の公営塾やイングリッシュキャンプを通じて外国人との交流を推進します。各事業が相乗効果により活性化し、生徒・児童と外国人相互の国際理解とコミュニケーション能力が向上することで、日常英会話によるコミュニケーションが取れる人材の育成や、実践的な国際感覚を持った人材の育成を目指します。(地方創生課○・社会教育課)(◎)

  • 「ALT」:外国語指導助手
  • 「オーラルコミュニケーション」:高等学校の英語科目。聞く・話すなど「使える英語」を目指して1994年度から導入されている。
公営塾の運営

○ 通常の学校カリキュラムでは指導が困難な英検等の資格試験の対策や英会話のスキル向上のため、テレビ電話システム(スカイプ)等を用いて学習する機会を提供するなど、地域おこし協力隊や地元大学生が町内の小中学生に対して巡回指導形式で学習支援をします。今後、地元大学と包括協定等を締結して、大学生講師ボランティアの派遣を依頼し、講師の確保を図ることで、受講対象者を小学生にまで広げ、平日にも開催します。(地方創生課)(◎)
○ 現在、和気鵜飼谷温泉にはインバウンド(訪日外国人旅行者)対策として多言語対応観光案内の人型ロボット「Pepper(ペッパー)」を配置しています。今後は「Pepper(ペッパー)」に英会話機能を追加し、反復学習できるオリジナルの英会話学習の導入についても検討します。(地方創生課)(◎)
○ 今後、公営塾の受講対象者については、高校生、大学生及び社会人にも対象枠を広げ、旧閑谷学校や藤公園などを訪れる外国人観光客に対して会話ができる人材の育成を図ることなどを目的とした英会話講座を開講します。(地方創生課)(◎)

イングリッシュキャンプ及び英語村の開設

○ 日本遺産に認定された旧閑谷学校に併設する青少年教育センター閑谷学校を利用し、小学校4年生から中学校3年生までを対象に、英語と触れあいながら異文化を体験できる機会を提供します。イングリッシュキャンプには、欧米やアジアからの外国人講師が参加しているので、寝食を共にしながらコミュニケーションを取り、日々学んでいる英語を実際に使ってみることにより、生徒に普段の学びの成果を実感させます。(社会教育課)(◎)
○ 公営塾と併設した形で、「ENTER WAKE(エンターワケ)」内に英語コミュニケーション能力を身に付けるため、英語を楽しく学ぶことができる「英語村」を開設します。英語村では、英語圏にいるような空間で、基礎的な英会話スキルとコミュニケーション能力を習得させます。英語村や公営塾で得た英語のスキルを活かすことで外国人観光客に対して会話ができる人材の育成や、観光関連業界への就職等による雇用の創出に繋げます。(地方創生課)(◎)

英検等合格者に対する助成

○ 日本英語検定協会の英語検定及び英検Jr.に合格した町内の小中学生に、図書カードを交付します。同協会が設定した英検標準合格級の合格者及び英検Jr.の対象グレードの正答率で80%以上の成績を収めた者には2,500円分を贈呈します。標準級よりも上級に合格した生徒には努力が報われるよう、標準級より1ランク上は5,000円分、2ランク以上は10,000円分の図書カードを贈呈します。(地方創生課)(◎)
○ 姉妹都市縁組をしているカナダのハナ町との交換留学について、中学3年生から全ての中学生に対象を拡大します。今後は、日本英語検定協会の英語検定に標準級よりも上級で合格した町内の中学生を対象として、英検合格級に応じてハナ町へのホームステイ費用の負担を減免することを検討します。(まち経営課)(◎)

放課後学習支援事業の充実

○ 小中学校に学習支援員を配置し、放課後等に補充的な学習指導などを実施している「放課後学習支援事業」について、地域おこし企業人(※)と連携しながら、自学自習できる教材の開発をするなど、放課後学習支援事業の充実を図ります。学習支援員の確保については、地元住民や高校生だけでなく、地元大学とも連携を行います。(学校教育課)
○ 学習支援員としてのボランティアをお願いしている高校生が、小中学校へ出向いて、後輩達に勉強を指導します。高校生自身が使命感を持ち、より勉強する必要性を感じるとともに、小中学生には、身近な高校生の先輩に勉強を教えてもらえることでやる気を出させ、相互が高め合う関係を築きます。(学校教育課)

  • 「地域おこし企業人」:総務省の制度で、三大都市圏に勤務する大企業の社員が、そのノウハウや知見を活かし、一定期間、地方自治体において、地域独自の魅力や価値の向上等につながる業務に従事するため派遣された者
ふるさと教育の推進

○ ふるさと教員(※)や地域おこし協力隊を活用し、小学校から高校卒業まで本町の魅力や将来を考えさせる授業を行うことで、和気町へ愛着を持った人材を育成します。(社会教育課)
○ 地域資源を活用した体験活動等により自己判断力と実行力を養う「和気町子ども塾」などの課外活動も充実させることで、地域の担い手を育成し、和気町ならではの特色ある「教育のまち和気」を目指します。(社会教育課)

  • 「ふるさと教員」:地域に根差した独自の教育活動(ふるさと学習)を展開し、「ふるさとを愛する子どもの育成」を目指す、全国唯一の専門職員
和気閑谷高校の魅力化

高校が地域の拠点校としての役割を果たせるよう、教育機能の維持・充実のために必要な支援と、地域と連携して行う学校の活性化・魅力化の取組への支援を積極的に行います。また、高校の魅力化を通じて、本町の将来を担う人材を育成します。
○ 地域おこし協力隊を活用して、基幹となる学力に加え現場の課題を発見し解決しようとする閑谷學(課題解決型の学力の育成)の推進を支援します。また、教育課程の内外で地域振興の担い手を育成するプロジェクトの立ち上げを支援します。(地方創生課)
○ 外部専門家(※1)を活用して、推薦・AO入試(※2)を踏まえた対話型の研修や推薦・AO入試に関する進路指導・情報提供を支援します。(地方創生課)
○ 訪日教育旅行の受入や「Wake 恕up プログラム(※3)」の取組を支援することにより、グローバル人材の育成を図ります。(地方創生課)(◎)
○ 国際的に通用する大学入試資格が取得可能な教育プログラム(国際バカロレア(※4))の和気閑谷高校への認定の取組を支援します。(地方創生課)(◎)
○ 起業教育を推進することを目的として、日本政策金融公庫が開催する「高校生ビジネスプランコンテスト」の参加を支援し、高校生の起業家教育の充実を図ります。(地方創生課)(◎)

  • 「外部専門家」:総務省の「外部専門家(アドバイザー)制度」の地域人材ネットに登録されている、地域活性化の取組に関する知見やノウハウを有する者
  • 「AO入試」:受験生の能力や資質を多面的に評価する入試制度
  • 「Wake 恕up プログラム」:国際理解を深めるとともに論語を基盤とした協働的な活動による高度な精神力を育成する、和気閑谷高校のオリジナルプログラム
  • 「国際バカロレア」:1968年にスイスのジュネーブで設立された非営利団体である「国際バカロレア」が定める教育プログラム

  • 重要業績評価指標(KPI):施策ごとの進捗状況を検証するために設定する指標
  • 2015年から2019年までの累積