工芸品

国指定重要文化財

古備前筒大花生

室町時代末期(戦国時代)に作られたもので、高さ38cm、口径15cm、胴部に「備州大滝山 中道院 常住物 弘治三(1557)年三月廿一日」の刻銘が4行に箆(ヘラ)書きされている。制作年代が銘から確定でき、備前焼研究上重要な作品である。
裾がやや広がった筒型の器形で、表面は縦横に箆目を施し、半面のみ自然釉がかかっている。茶器としての備前焼に対する需要が高まる桃山時代に入る直前に生産されており、生活雑器から美術工芸品への脱却を試みようとする制作者の意図が感じられる。
(昭和31年6月28日国指定文化財)

文化財・史跡概要 分類 工芸品
所在地 和気町和気
所有者 個人

銅五鈷鈴

天台宗派の寺院である安養寺(和気町泉)に伝わる銅製の鈴で、天台密教の修法を行うときに鳴らして用いる法具である。鈴部、把手(取っ手)部、錮部から成り、錮が五つであることから五錮鈴と呼ぶ。総高17cm、鈴身高7.4cm、口径7.5cm。
「備前国新田安養寺了円之 建武五季三月日」との刻銘があり、建武五(1338)年の室町時代初期(南北朝時代)に制作されたものとわかる。「建武」は北朝の年号であり、了円は、足利氏率いる北朝方についた赤松円心の従弟といわれ、寺にはこの五錮鈴を使って了円が北朝の安泰を祈願したと伝わっている。
(昭和34年12月18日国指定文化財)

文化財・史跡概要 分類 工芸品
所在地 和気町泉
所有者 安養寺

県指定重要文化財

備前焼薄端花生

室町時代末期(戦国時代)に作られた薄端式の花生で、無銘である。総高34.5cm、外口径37cm、内口径9.1cm、高台径14cm。
大きさから寺院に供える花のための花生と思われる。孔と鉤が両耳に付き、均整のとれた端正な形が優れている。茶道、華道が枯淡さを求める室町時代以降の文化に対応し始めた頃の備前焼としては最古級のものと言われている。
(昭和34年3月27日県指定文化財)

文化財・史跡概要 分類 工芸品
所在地 和気町駅前
所有者 個人

木造鬼面

阿形(赤鬼)、吽形(青鬼)の対からなる木造の鬼面である。材は桐で厚さはともに1.17cmと薄く、阿形はあごから頭頂まで48.5cm、両耳間37.0cm、吽形はあごから頭頂まで46.4cm、両耳間36.4cm、それぞれ彩色を施す。
これらの面は、安養寺で江戸時代まで行われていた邪気(鬼)払いの行事「追儺」で使われていた。室町時代の作と考えられ、後世に補修の手が加えられていない点で貴重である。明和8(1771)年の安養寺文書の中に、旱害のときこの面に笹で水をかけるか、水で洗うと雨が降るとの記述が見られ、雨乞いの行事とも関係した可能性がある。
(昭和47年12月9日県指定文化財)

文化財・史跡概要 分類 工芸品
所在地 和気町泉
所有者 安養寺

陣太鼓

胴部はケヤキ、牛革張りで、革張り部の直径53cm、胴の奥行き42cmである。室町時代初期(南北朝時代)から室町時代中期の間の作で、県内に現存する最古の太鼓とされる。
革部は中心に左回りの三つ巴文、周囲に矢車文を表現し、縁に宝相華文が描かれる。
(平成14年3月29日県指定文化財)

文化財・史跡概要 分類 工芸品
所在地 和気町泉
所有者 安養寺

町指定重要文化財

由加神社宝物(赤松則祐の鎧)

由加神社の創立は明らかではないが、最古の棟札には天永3(1112)年に和気氏が新田郷(現・和気町本荘地区)の鎮守として八幡宮を建立したことが記されている。
この紺糸素懸威(すがけおどし)胴丸具足は、赤松則祐が着用したと伝わる。草摺は7間5段下り、胴は裾が細くなる5段仕立てである。脇に蝶番がついておらず、複雑で製作に手間のかかる小札が用いられるなど、「胴丸」(平安時代中期から使用された徒歩戦に適した鎧)の特徴を持ちながら、草摺が7間であり、下地に黒漆、表面に朱漆を施すなど、「具足」(室町時代に登場する鉄砲戦、集団戦に適した鎧)の要素も備えている。この鎧は室町時代末期(戦国時代)の作と考えられ、胴丸から具足への過渡期に作られたものとして興味深い。
由加神社に伝わる鎧は3領あり、この伝赤松則祐着用の鎧のほか、伝神功皇后着用 紺糸威胴丸、伝赤松政則着用 唐冠形兜付二枚胴具足がある。
(昭和32年1月23日町指定文化財)

文化財・史跡概要 分類 工芸品
所在地 和気町大田原
所有者 由加神社